◆ROE偏重の末路
●先日 金融理論に大きな影響を与えた伊藤清先生の紹介をしたが、今回金融危機の原因を日経記事から紹介してみよう。
●『ROE重視』・『証券化』・『内部統制』の3つを主な原因としてあげている。
それぞれ 金融技術の進歩や企業の倫理向上について、それ自体は合理的かつ必要なものだった。
●一つ『ROE重視』はできるだけ少ない資本で、どれだけ収益を上げたかの指標だ。銀行においては分母の総資本に対して、自己資本が8%以上必要などの規制があり、ROEを継続して上げるには融資債権を早めに転売してするしかなかった。(総資産を減らして収益を上げる)
一方(自己資本の制約が少ない)証券会社は転売された債権を、MBSやCDOと呼ばれる証券化商品に組成する過程で、レバレッジを効かせて(・・自己資本を増強せず他人資本を使って)少ない資本で手っ取り早く収益を上げた。
関わるスタッフのインセンティブは、年収100億円とか桁が違っていて、批判を浴びているのは報道の通りだ。
また、債務不履行の場合の対策としては、AIG危機で顕在化したCDS(保証保険のイメージ)が活発に売り買いされ残高を膨張させた。
何れも金融技術の勝利(・・・と思われた)で、06年までは、ROEを高める事に成功した。
●二つ 『証券化』は 「資産金融の証券化」と言う意味で、その過程で、
特別目的会社(SPV)を使って、銀行破綻の影響がSPVに及ばない仕組み(倒産隔離)を創ったり、証券化商品の信頼性確保やリスク分散、その格付けなどの整備を一定水準にまで高めた。 (・・・・と思っていた?)
ところが複雑なこともあるが、そのリスクが投資家にまで伝わらなくなってしまったと言うことらしい。結果として方便になってしまった。みんなで渡れば怖くない・・あそこだってやってるじゃないか?の世界だな~
●三つ・『内部統制』とは米で02年に成立した、SOX法(内部統制の再構築を促す企業改革法)で、銀行や証券会社の行動が厳しく監視されるようになった事がある。
これも必要だが、逆に、膨大な文書を作成する必要など、管理コストがかかりすぎて、本来の趣旨が生かされず、管理の形骸化や無責任化・脱法化を招いてしまった。
証拠文書さえ有ればよい・格付さえ取れればよい・格付を投資家に示せばよい・余計なことはせず、言われたことだけやる・などの事なかれ主義の蔓延だ。
おおまかに言うと、こんなところが背景としてあるらしい。
記事は原因について
一見合理的だが、「三つの方便」になり下がっており、結局は屁理屈がまかり通ってしまったことと言っている。
理論や技術は、いつの時代も必要なものだが「ホトケ創って魂入れず」が壮大なスケールで行われたのが今回危機の本質では?〔筆者〕
ROE偏重から脱却して、組織としての哲学や精神的支柱を定めよ・・と記事は結んでいる。
hisa wrote



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